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【メーカー別おすすめリストラップ比較】初心者向けの長さの選び方・巻き方・適合種目

リストストラップ使用のトレーニングにおけるメリット・デメリットなどについて解説するとともに、メーカー別におすすめのリストラップをご紹介します。また、あわせて初心者向けの長さの選び方や巻き方・使い方を解説します。

また、アイロテック・ゴールドジム・鬼の3ブランドの新品リストラップを入手し、同一条件で負荷(ウエイト下垂)実験を行い、その伸び率測定を実施し、使用されているゴムの強度を比較しました。

画像提供:武器屋.net

さらに、ご紹介する全メーカーのリストラップを実際に入手し、筆者自身が装着してプレス系トレーニングを行った上での、比較・感想・評価をご報告します。

■リストラップの構造

●ラップ本体・サムループ・マジックテープから構成される

こちらが、当ジム所属のベンチプレス選手が実際にトレーニングや試合で使用している60cmタイプのリストラップです。

リストラップは、写真に示したようにラップ本体・マジックテープ・サムループから構成されており、その役割は以下の通りです。

・ラップ本体:伸縮性があり手首関節を保護

・マジックテープ:ラップ本体の固定

・サムループ:装着開始時に親指にかけ仮固定

■リストラップを使うメリット

●プレス系種目の動作が安定する

こちらの写真は、実際のベンチプレス競技の様子ですが、手首を拡大するとリストラップを使用していることがわかります。

このように、リストラップはプレス系種目(押す動作)で使用することにより手首関節のブレがなくなり、挙上動作が安定するだけでなく、手首関節の保護にもなるというメリットがあります。

一般的にリストラップが使用されるトレーニング種目には以下のようなものがあります。

▼大胸筋のトレーニング

ダンベルプレス
インクラインダンベルプレス
デクラインダンベルプレス
ダンベルフライ
インクラインダンベルフライ
デクラインダンベルフライ
バーベルベンチプレス
インクラインベンチプレス
デクラインベンチプレス
スミスマシンベンチプレス
マシンチェストプレス
マシンチェストフライ
ケーブルフライ

▼三角筋のトレーニング

ダンベルショルダープレス
バーベルショルダープレス
マシンショルダープレス
スミスマシンショルダープレス

▼上腕三頭筋のトレーニング

ダンベルトライセプスプレス
ダンベルフレンチプレス
ナローベンチプレス
ディップスマシン
スミスマシンナローベンチプレス

●プル系種目でも実は効果がある

一般的にはプレス系トレーニングではリストラップ、プル系トレーニングではリストストラップやパワーグリップを使い分けますが、競技規定でリストストラップ類の使用が禁止されているパワーリフティング選手のなかには、使用が許可されているリストラップをデッドリフトに使用する選手もいます。

リストラップを手首に巻くことで、若干の握力向上効果が期待できるからです。

また、リストストラップを使ってプル系トレーニングを行うと、握力でシャフト保持をする必要がなくなり、トレーニングのなかで握力が鍛えられなくなります。

筆者の行う競技であるアームレスリングでも握力は大事な要素ですので、筆者自身もプル系トレーニングではリストストラップは使用せず、必要に応じてリストラップを使用しています。

・リストストラップとの違いとは


※写真左:リストストラップ・右:リストラップ

言葉が似通っているため、リストラップと混同されがちなのがリストストラップです。リストストラップとは、グリップ時にバーベルシャフトに巻きつけ、セット中に握力がなくなってもシャフト保持を補助してくれるトレーニングギアです。

リストストラップはこの写真のように、まず手首に通し、それからシャフトに数回巻きつけて使用します。自身で保持できる以上の強度で背筋群を追い込むことができるので、効率的に背中を筋肥大できます。

ボディービル系のトレーニングなどでは非常に有効な補助ギアと言えるでしょう。

なお、パワーリフティング公式競技のデッドリフトでのリストストラップの使用は認められておりませんが、リストラップの使用は認められています。

■リストラップを使うデメリット

●頼りすぎると前腕筋群が鍛えられない

リストラップ使用のトレーニングにおけるデメリットは、ずばり「頼りすぎると前腕筋群が強くならない」ということです。本来、手首関節の角度維持は前腕筋群の筋力によって行われています。

軽い使用重量でもリストラップを常に使用する癖がついてしまうと、前腕筋群が強くならない、または弱くなってしまうというデメリットがあることは覚えておきましょう。

なお、ベンチプレスでのリストラップ使用の目安としては80kg程度以上の重量からとなります。

■リストラップの巻き方

●間違った巻き方と正しい巻き方

・リストラップの間違った巻き方

こちらが、典型的な間違ったリストラップの巻き方です。これでは手首関節は完全にフリーとなり、手首の保護とサポートの意味をなしません。

・リストラップの正しい巻き方

こちらが、リストラップの正しい巻き方で、親指関節付近まで深く巻き、完全に手首関節を覆うように巻きます。

●競技大会での巻き方

・手首関節から2cmまで

リストラップは、親指付近までできるだけ深く巻くことで、サポート効果が向上しますが、パワーリフティング・ベンチプレスの公式競技では、手首関節より2cmまでという規定があります。

競技に出場する方は、普段から競技規定内での使用に慣れておきましょう。

●基本的な巻き方のコツ

こちらが、リストラップの巻き方を詳しく解説している動画です。一般的な60cmタイプのリストラップの基本的な巻き方のコツは「一周目をきつく巻き二周目は好みで調節する」ということです。

●ロングタイプの巻き方

上の動画でも解説されていますが、90cm前後のロングタイプのリストラップでは、さらにコツが必要になり、その手順は以下の通りです。

・一周目をきつく巻く

・巻き終わったらマジックテープを仮止めする

・サムループを外す

・マジックテープをはがし再度きつくしめ直す

■ベンチプレスにおけるリストラップの使用方法

●元日本王者による詳細な解説

パワーリフティング元全日本王者・ベンチプレス種目別世界二位&アジア一位の奥谷元哉さまに客員執筆いただいた当サイトのベンチプレスに関する記事では、リストラップの使用方法についても解説されています。

【以下、当該記事より抜粋】


手首が立った握り方:リストラップ無し


手首が立った握り方:リストラップあり


手首が自然に寝た握り方:リストラップあり


手首が自然に寝た握り方:リストラップ無し

何も考えずにベンチプレスの姿勢をとってバーを握ると、手首は自然に傾きます。

そして、手首が自然に傾くので、何も考えずにベンチプレスをすると自然に斜めの軌道を描くようになります。

手首を立てろという指導をよく見かけますが、これは肩周囲の関節への負担が増大しますのであまりおすすめできません。

手首が傾いたら手首を痛めるという意見がありますが、そのためにリストラップというギアがあります。

手首はリストラップで保護できますが、肩は保護できるギアがありません。

リストラップにバーの重量をあずけるぐらいの感覚でベンチプレスを行う方がよりスムースにバーを動かすことができます。

【抜粋ここまで】

■初心者のリストラップの長さの選び方

●迷ったら60cmで状況により30cmか90cm

リストラップには標準的な60cm前後のタイプのほか、30cm前後のショートタイプ、90cm前後のロングタイプとがあります。

初心者の方にとっては、ショートタイプはサポート力が弱く、ロングタイプは扱いづらくなります。どのタイプにするか迷ったら、標準的な60cmタイプをおすすめします。

ただし、トレーニングで前腕筋群も鍛えていきたい場合は30cmタイプ、高重量を扱うために強いサポート力がほしい場合は90cmと、目的や状況にあわせて複数本準備するのが最適です。

■メーカー別おすすめリストラップ

それでは、ここからは全メーカーのリストラップを実際に装着・使用してみた感想・評価をまじえ比較していきたいと思います。なお、Schik製リストラップはINZER製のOEMで同一品です。

・各メーカーリストラップ比較表

メーカー名 長さ 固さ 左右  実売価格
BODYMAKER 約60cm 柔らかい なし 3800円前後
IROTEC  約45cm  柔らかい なし 2700円前後
Gold's GYM  約50cm 柔らかい なし 3800円前後
Schik  約60cm やや固い  なし 4300円前後
GLFIT(旧glory)  約60cm やや固い  あり 2200円前後
INZER  約60cm やや固い  なし 5100円前後
TITAN 約60cm 超固い  あり 4300円前後
鬼  約60cm 固い  あり 4300円前後

※実売価格は楽天市場における価格

●リーズナブルな普及品

・BODY MAKER

こちらが、ボディーメーカー製のリストラップです。普及品として手軽にリストラップの効果を感じられるタイプです。

かなり柔らかく、中級者(ベンチプレス100kg以上)には不向きに感じますが、長さがある分、普及品のなかではサポート力が一番強く思いました。

・IROTEC

こちらも普及品のIROTEC製リストラップです。使用感はボディーメーカー製とほぼ同等です。ただし、長さがかなり短いため、サポート力は全メーカー中で一番弱く、しかし巻きやすいので初心者や女性におすすめです。

・GOLD'S GYM

GOLD'S GYM製のリストラップは、普及品のなかではフィット感やサポート力が高めです。本格的なリストラップの使用にむけての入門タイプと言えるでしょう。マジックテープ部分の作りが甘く感じられ、繰り返しの使用では若干の不安を覚えました。やや短いこともあり、中級者(ベンチプレス100kg以上)には不向きなサポート力で、初心者や女性におすすめです。

●本格的な中級用

・Schiek

Schiek シーク リストラップ 24インチ フリーウェイトトレーニング用 (国内正規品)

Schikのリストラップは普及品よりもワンランク上のフィット感・サポート力があり、本格的な高重量トレーニングにも十分対応できます。感想はINZER製の項目をご参照ください。

※Schik製リストラップはINZER製のOEMで同一品ですが、IPF(世界パワーリフティング協会)公認ではありません。

・GLFIT(旧glory)

今回比較したなかで最安値のGLFIT(旧glory)ですが、その作り込みの高さには正直驚かされました。サポート力や使用感はIPF(世界パワーリフティング協会)公認のINZERクラスと同等に思います。また、左右の区別があり、ロゴ部分も高級感があります。上級者(ベンチプレス130kg以上)でもサポート力は問題ありません。

固すぎない装着感が非常によく、初心者~中級者~上級者と幅広い層におすすめで、初めての一本ならこちらを強くおすすめします。

※BODY MAKER・IROTEC・GOLD'S GYM・Schik・GLFIT(旧glory)のリストラップは、パワーリフティングおよびベンチプレス競技大会では地方大会に限って使用が許可されています。全国規模の大会では競技規定で使用できません。また、同ブランドリストラップ使用で地方大会において日本記録を挙げた場合でも、その認定は受けられませんので、十分ご注意ください。

●あらゆる試合にも使える上級用

・INZER

IPF(世界パワーリフティング協会)公認の規格を満たしており、なおかつ汎用性が高く、普段のトレーニングにもおすすめなのがINZERのリストラップです。筆者自身、普通のトレーニングに使用しており、固すぎないサポート力は普段ユースにも最適で、初心者~中級者にも使いやすい一本と言えるでしょう。上級者(ベンチプレス130kg以上)にもおすすめです。

・TITAN

世界的に有名なメーカーがTITANで、そのリストラップも最高級レベルのサポート力です。パワーリフターの方々には、高重量ベンチプレス(150kg以上)で真価を発揮すると評判ですが、筆者はそこまでのベンチプレスは挙がらないので、個人的には固すぎるように感じました。

とにかく非常に固く(その分サポート力は強い)、かなり癖のあるリストラップですので、一般的なトレーニーには使い方が難しいと思います。

・鬼リストラップ

パワーリフティングの世界レベルの日本人選手が、こだわりぬいてデザイン・製品化したリストラップが「武器屋・鬼ブランド」のリストラップで、日本代表選手にも多くの愛用者がいる、安心と信頼の国内メーカー製品です。

もちろん、普段のトレーニングでも普及品と比べると、ワンランクもツーランクも上の使用感で、ハイパフォーマンスなトレーニングを約束してくれます。

なお、当ジム所属のベンチプレス選手も、同ブランドのリストラップを使用して日々のトレーニングやベンチプレス競技会に出場しています。

使用感は、かなり固めでサポート力が強いのですが、癖はなく一般的なトレーニングから試合までこなせる一本であると感じました。また、左右の区別があるのも使いやすいです。

中級者~上級者におすすめですが、日本人のベンチプレス世界チャンピオンも鬼ストラップを使用していますので、トップアスリートの使用にも最適な一本です。


鬼リストラップはこちらから入手可能

■最新のリストラップを試用した感想

●武器屋・鬼リストラップXX

鬼リストラップの最新バージョンである「XX」を入手したので、さっそく当ジム所属のベンチプレス県チャンピオンに試用してもらいました。

従来の鬼リストラップと比べ、非常にハードな硬い作りになっており、TITANと同様かそれ以上のハードさです。

硬いリストラップは、ごわついて隙間ができてしまうのがデメリットですが、鬼リストラップXXは裏地に滑り止めのゴムが施されており、ハードながらもしっかりと皮膚に喰いつくような装着感です。

実際に試用したベンチプレス選手の感想は、「硬い、手首が反らない、逃げない。しかし、タイタンのようにただ硬いだけでなく、隙間があかず密着する。滑り止めが凄い。」とのことでした。


鬼リストラップXXはこちらから購入可能

●GLFITマルチラップ

GLFITの最新リストラップを入手したので、さっそく試用してみました。

本リストラップは新発想が盛り込まれており、従来のサムループではなく、写真のようなバンドタイプのサムループになっています。

手首への装着に関しては、従来のタイプと違和感はなく、さらにサムループが飛び出さない構造のため、肘や膝のサポーターとしても使用できます。

一石二鳥、一本二役のアイテムであると感じました。

■リストラップのメーカー別比較実験

●ウエイト下垂による負荷実験とゴムの伸び率測定

こちらが、今回の実験に使用するために新規に入手した「武器屋・鬼」「ゴールドジム」「アイロテック」の3メーカーのリストラップです。

・まずは新品未使用時での長さを測定

まずは、各メーカーのリストラップの本体部分の未使用時点での全長を測定します。なお、ゴールドジムおよびアイロテックのリストラップは長さが50cmタイプ一種類だけですが、武器屋・鬼リストラップは4種類の長さがありますので、他の2メーカーに近い60cmタイプを使用しています。

その未使用時本体の長さは以下の通りです。

○武器屋・鬼:52cm

○ゴールドジム:50cm

○アイロテック:46cm

・同一条件でウエイトを下垂して負荷を加える

次に同一条件で各メーカーのリストラップを比較するために、上の写真のように本体先端から35cmで長さを揃え、壁に設置しました。

負荷として下垂するウエイトは5kgで、上の写真のように5cmの巻きしろをとりましたので、各メーカーとも負荷実験に使用する部分の長さは30cmとなりました。

・ウエイト下垂負荷実験当初の結果

このように、3メーカーのリストラップに同一条件下で5kgのウエイトを取り付け、その伸び率を測定しました。結果は以下の通りです。

○武器屋・鬼:36cm

○ゴールドジム:46cm

○アイロテック:46cm

実験に使用した部分の実質的な長さは30cmですので、その伸び率は以下のようになります。

○武器屋・鬼:120%

○ゴールドジム:153%

○アイロテック:153%

このことから、3メーカーの新品リストラップの締め付け強度は「武器屋・鬼」>「ゴールドジム」=「アイロテック」であることがわかります。

・ウエイト負荷下垂実験48時間後の結果

ウエイト負荷の下垂実験を開始してから48時間経過後の測定結果は以下の通りです。

○武器屋・鬼:37cm

○ゴールドジム:47cm

○アイロテック:49cm

・ウエイト負荷下垂実験48時間後の結果

ウエイト負荷の下垂実験を開始してから48時間経過後の測定結果は以下の通りです。

○武器屋・鬼:38cm

○ゴールドジム:48cm

○アイロテック:50cm

この後、さらに一ヶ月間下垂実験を行いましたが、各メーカーともこれ以上伸びることはありませんでした。

今後、ウエイト下垂状態でさらに継続放置し、その伸び率を測定し耐久力の実験を行うとともに、最終的な戻り率の測定も行っていきたいと考えています。

その結果は、またこちらの記事内に追記していきます。

・下垂実験後の最終的な戻り率(追記)

二ヶ月間の下垂実験の後に、ウエイトを取り外した状態がこちらの写真です。リストラップを真っ直ぐにするためにピン止めしていますが、引っ張らないように留意して固定し、その長さを計測しました。

○武器屋・鬼:35cm

○ゴールドジム:39cm

○アイロテック:41cm

武器屋・鬼リストラップは完全に元の状態に復帰しており、やはりIPF公認品の質の高さが証明されました。こちらは、全く緩むことがありませんでしたので、日々のトレーニングに使用していく予定です。

一方、普及品であるゴールドジム・アイロテック製のリストラップは、それぞれ伸びたゴムが若干戻らず、その伸び率はそれぞれ110%・117%でした。

今回行った下垂実験と戻り率測定は、あくまでも目安でしかありませんが、締め付け強度と耐久性の一つの指標になると考えています。

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記事制作©FutamiTC/MazurenkoJapan


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